2009年10月13日

フリートウッド・マック「イングリッシュ・ローズ」

フリートウッド・マック「イングリッシュ・ローズ」



皆さん今晩は!
これからの30分間は、このFM81.4、FM西大和からお届けさせて頂きますラジオでROCK!「Radio nowhere」でお楽しみくださいませ。
お相手させて頂きますのは私、DJ PON- CHANG!(ぽんちゃん)で御座います!どうぞ宜しくお願い申し上げます!

それでは早速番組の方、進めていきたいと思いますが…。

まず、最初のコーナーは、ミュージックカレイドスコープのコーナー

このコーナーでは、その時々の話題を、私の方でアトランダムにピックアップしては、それに因んだサウンドをオンエアーさせて頂くコーナーでは御座いますが。

さて今日は、集英社から刊行されている定価90円という(ところによっては、フリーペーパー扱いで無料進呈している書店もありますが…)読書情報誌「青春と読書」の誌上で、2007年5月から翌2008年12月まで連載されていた花村萬月氏の「ロック・ステディ」という、非常に奥深くも、ロック好きにとっては大いに好奇心をそそられる素晴らしい内容のエッセイが一冊の本に纏められ、今年の7月22日、集英社新書として、タイトルも新たに「俺のロック・ステディ」ということで発売になりました。

フリートウッド・マック「イングリッシュ・ローズ」


http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0503-f/index.html

今回はその本の内容を簡単に紹介しつつも、そこで登場するアーティストを一組ピックアップしては、その音をお届けしようと思っております。
花村萬月氏は勿論ご存じのリスナーも多いことかと思いますが、1955年2月生まれと言いますから、当年54歳の東京出身の作家で、1998年に「ゲルマニウムの夜」で第119回芥川賞を受賞した、暴力的な表現と生々しい性描写が横溢する筆致を駆使し、罪深くも、えも言われぬ業を背負った人間の有り様を浮き彫りにする作風で、読む者の心を鷲掴みにする気鋭の小説家でありますが、結構、その作品の中には「ジャンゴ」や「ブルース」といったジャズや、ロックミュージックの匂いを漂わすタイトルの作品もあり、そういった一連の作品を読むにあたっては「もしや…」という予感があった訳ですが、案の定、その想いは見事的中、「ロックを語るにはギターのひとつも弾けなければいけない」とする、バイクであちこちを駆け回る行動派らしい拘りと共にしっかりと描かれた、この「俺のロック・ステディ」は、凡百の音楽評論家が束になってかかっても、到底、勝ち目のない過去から今日に至るまでの実体験に裏打ちされた濃密なロック雑感に満ち満ちた作品であり、兎に角、冒頭で記された、ロックやブルースなど、全ての音楽はまず持って「はじめにリズムありき」とする、真理を突いた断固たる力強い言い回しに私としては快哉を叫ぶと同時に、貴重な小遣い銭を握りしめてレコード屋に走っては、何回も何回を同じアーティストの作品を愛しむように聴いたり、電波状態の悪いラジオを抱きかかえるようにしては、さまざまなアーティストの音に触れるべく齧りついてみせたあの60年代、70年代、80年代のように、もう一度、じっくりとさまざまな音楽と向かい合うべき大切な姿勢を想い起させてくれる、そんな啓示に満ちた名著であると思います。どんなロック入門書よりも説得力のある内容が網羅されておりますし、きっと今の若い人からすれば聴いた事もないようなアーティストの名前がぽんぽんと飛び出してくる様は新鮮であり、大いにその音楽感性を刺激されることかと思います。是非手にとって呼んで頂きたい、まさにロックバイブルと称するに相応しい一冊で御座います。

~と言うところで児玉清さんのブックレヴューさながらの下手なユン・ピョウ、寸評(ダサッ!)はこの辺りに致しまして、その本の中の第3章・ブルースロックの(2)で紹介されている、かのブルースマン、B・B・キングをして「俺に冷や汗をかかせた白人ギタリストは彼だけ」と、そのセッションを通じて言わしめた、少ない音数で素晴らしいブルースギターを聴かせるピーター・グリーンが在籍していたフリートウッド・マックが1969年にリリースした作品「イングリッシュ・ローズ」から今日は「ブラックマジック・ウーマン」(カルロス・サンタナで御馴染みの名曲だが、こちらが本家本元のオリジナル)と「モタモタするな」、「ジグゾウ・パズル・ブルース」の3曲を聴いて頂きたく思います。花村さんも「マニアックな内容だが是非、教養として聴いてほしい」と言っている作品なので、是非、ラジオの前のあなたもじっくり鎮座ましまして聴いてください。それではどうぞ!



(10・18オンエアー分)


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Posted by PON-CHANG!(ぽんちゃん) at 23:36 │ROCK・音楽